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Thunderbolt™ 5について

作成者: GRL Team|Nov 14, 2024 7:37:26 AM

2024年にリリースされた新技術に加わったThunderbolt 5はハードコア・ゲーマーやコンテンツ・クリエイターにとってパワフルな技術になります。最大120Gbpsの超高速(Bandwidth Boost使用時)、複数の8Kディスプレイのサポート、1本のケーブルで最大240Wの充電速度などに期待できます。

図1: Thunderbolt 5の高度な機能 出典: Thunderbolt、インテル

 

CES 2024でのThunderbolt 5

J5create、HyperとRazerの 最初のThunderbolt 5搭載製品への対応がCES 2024で紹介されました。

J5createの三つのThunderbolt 5 ポートがついている(1つのアップストリームポートを含む)Thunderbolt 5 デュアル8K60ディスプレイ・ドックも展示されていました。

同様にHyperも三つのThunderbolt 5ポート(2つのアップストリームポートを含む)、2つのDisplayPortポート、1つのHDMIポートを備えたThunderbolt 5ドックを発表しました。

Razerは自社の新商品のBlade 18ノートパソコンを紹介し、Thunderbolt 5の性能を見せました。

Thunderbolt 5とThunderbolt 4の比較

帯域幅の割り当て

Thunderbolt 5

80 Gbps

120 Gbps (帯域幅ブースト付き)

Thunderbolt 4

40 Gbps

 

Thunderbolt 4対応のUSB Type-C®コネクターはThunderbolt 4対応のMacやWindows PCで最大40GbpsのThunderbolt 4の速度をサポートします。一方、Thunderbolt 5はこの帯域幅を倍増し、双方向で80 Gbpsの速度を提供します。

さらに、Thunderbolt 5はThunderbolt帯域幅ブーストを付属しており、必要な際にデータ転送のために帯域幅を120 Gbpsまで上げることができます。帯域幅ブーストは多くの高速信号伝送を実施したい人たちにとって非常に便利で、高画質ディスプレイと高速データ転送を同時に対応できる帯域幅を実現します。

初期モードではThunderbolt 5は各データフローで最大80Gbps、データ送信に80Gbps、データ受信に80Gbpsを可能にします。しかし、多くデータが転送される場合、帯域幅ブーストでデータ転送の帯域幅を最大120Gbpsまで増加させることができます。この場合、40Gbpsの帯域幅がデータ受信用に割り当てられ、帯域幅の総容量が制御されます。

 

図2: Thunderbolt 5帯域幅の割り当て 出典: Thunderbolt, Intel

 

ディスプレイの対応範囲

Thunderbolt 5

3台の4K@144Hz

2台の6K

複数台の8K

Thunderbolt 4

2台の4K@60Hz

一台の8K、6Kまたは5K

 

Thunderbolt 4ポートはひとつの8K、6Kまたは5Kのディスプレイの接続か2つまでの4Kディスプレイの接続をひとつのケーブルで可能にします。Thunderbolt 5は4Kモニターを3台、6Kモニターを2台、さらには8Kモニターを複数台までリンクさせることができ、より高解像度の映像を提供します。

4Kモニターを2台もThunderbolt 4ポートに接続することによって、データ転送の帯域幅が制限されてしまいます。さらに、2台の4Kモニターのリフレッシュレートが60Hzに下がってしまいます。Thunderbolt 5は帯域幅の容量を活かして、リフレッシュレートも配慮しつつ、より多くの高品質ディスプレイをサポートすることでこの制限を乗り越え、3台までの144Hzの4Kディスプレイの接続を可能にしようと考えています。

Thunderbolt 5がDisplayPort 2.1(UHBR20)とUSB4®バージョン2.0(80Gbps)のプロトコルを採用したことは高解像度ディスプレイの同時接続を可能にする重要な要素です。これにより、ユーザーは複数の8Kモニターを接続できるだけでなく、1台のモニターで最大540Hzのリフレッシュレートを実現し、ゲームを楽しむことができます。

 

新しい信号技術

Thunderbolt 5

PAM-3シグナリング

64 Gbps PCIe帯域幅

Thunderbolt 4

PAM-2シグナリング

32 Gbps PCIe帯域幅

 

帯域幅あThunderbolt 5はUSB4バージョン2.0プラットフォームのPAM-3(Pulse Amplitude Modulationの3レベル信号技術)を搭載しています。このPAM-3シグナリングはThunderbolt 5のデータ転送速度の向上し、以前の低いPAM-2シグナリングのスループットのThunderbolt世代と比べて大きく変わりました。

PAM-3では上位互換性が可能です。そのため、ユーザーはすでに所有しているThunderbolt機器をThunderbolt 5と一緒に使用できるどうかの心配は必要ありません。Intelが約束した通り、Thunderbolt 5は以前のThunderboltとUSB世代と適合可能です。

Thunderbolt 5はThunderbolt 4のPCIe帯域幅の倍の64 Gbps PCI Express (PCIe) Gen 4の帯域幅も持ち合わせており、複数のパソコンの間のデータ転送を高速化し、同時にデータ容量とグラフィカルインターフェースも改善します。

 

電力供給

Thunderbolt 5

240 W

 最大140Wの電源要件

Thunderbolt 4

140 W

最大100 Wの電源要件

 

Thunderbolt 5ポートが240Wの充電に対応できることが条件となっているため、USB電力供給 3.1によって接続されたPCは最大240Wまで充電できます。これに対してThunderbolt 4はUSB電力供給による充電は接続されたPCに対して140Wまでしか対応していません。

Thunderbolt 5はUSB Extended Power Range(EPR)による最新のUSB電力供給プロトコルを採用したことで、USB Type-Cを超える240Wの充電を実現できています。また、Thunderbolt 4の最低充電電力が100Wであるのに対し、Thunderbolt 5は140Wです。

 

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現在、多くのMacやWindowsパソコンがThunderbolt技術をサポートしており、メディア関係者たちは4Kと8K映像を仕事で効率的に転送するためにThunderbolt機器を使う機会も増えています。

GRLはUSB電力供給 3.2、USB 2.0、PCIeと DisplayPortを含む他の業界規格とThunderboltのテストサービスを提供しています。周辺機器、ホスト、ハブや充電器製のテストを探している方はGRLにご連絡ください