By Wing Tseng – Test Engineer, GRL
無線通信の普及に伴い、電磁波の干渉がますます重視されるようになってきました。USBインターフェイスも高速化が著しく、電磁干渉が超目されるようになってきました。 USB-IFは、新たな試験として2021年4月1日、「USB 3.2 RFI System Level Test」を発表しました。
ここアプリケーションノートでは、RFIをテストする理由、テストの方法、テスト結果の判定方法について説明します。
RFI(Radio Frequency Interference)測定の必要性
無線LA(WLAN)で使用されている2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯は、USB 3.2 Gen 1x1とUSB 3.2 Gen 2x1の2.5GHと5GHzの伝送速度に近く、USBデバイスは時としてWLANの通信障害を引き起こすことがあります。 そのため、USB-IFでは、USBデバイスがWLANの通信品質に影響しないことを保証するために、RFIテストに設定しました。USB製品はこのテストに合格しなければなりません。
また、USB-IFは、WWAN、LTE、5Gなど、他の無線通信周波数帯におけるUSB製品のRFIも検証しています。
USB 3.2 RFIシステムレベルテスト(以下、RFIテスト)対象製品
以下の条件をすべて満たす製品がRFI試験の対象となります。
- USB Type-C®コネクタを使用
- USB 3.2 Gen 1x1以上の転送レートをサポート
- 製品タイプがDFP(Downstream Facing Port)
RFI試験に合格するために必要な製品のカテゴリは以下の通りです(表1)。
表1 RFI試験対象製品カテゴリ
USB 3.2 RFIシステムレベル試験用測定器リスト
RFIシステムレベル試験に使用する機材を次に示します(表2)。
表2 テスト機材
USB 3.2 RFIシステムレベル・テスト手順
主な試験手順を以下の表に示します(表3)。
表3 RFIテスト手順
RFI試験結果判定基準
上記の試験手順の実行後、得た試験結果をから、図1、表4 に示す基準値を下回っていることを確認します(4GHz~5GHzは判定されません)。
図 1 RFIテスト結果判定値
表4 RFIテスト結果判定値
テスト環境
図2 標準接続
図3 GRL RFI テスト設備
参考文献
- USB RFI System Level Test Procedure, Rev1.0, August 21, 2020
- USB 3.2 RFI System-Level Test Procedure, Rev1.1, November 24, 2020
著者
Wing Tseng GRL テストエンジニア, 台湾
USB、PCIe®、SATA、DDRインターフェーステストの専門家。GRLの技術論文の著者であり、講師を務める。
Release date: 2021/04/08 AN-210408-TW